【薬剤師として】在宅医療を経験して思ったこと。
ふと「在宅」について思ったことを書こうと思ったから書きます。
僕が就活しているときにこれからの薬剤師は「在宅」だと言われていました。
今も言われています。
学生のときの薬局実習では、指導薬剤師さんと一緒に患者宅へ行き「在宅」というものを見ることができましたが、一度だけでは何も分かりませんでした。
就職し、「在宅」を経験することができました。
今回はそこで経験した「在宅」について書きます。
目次
まず、在宅医療って何?って方はこちらを参考にしてください。
検索ワードに「在宅医療」と入れるとたくさんでてきますが、その中でかなり簡潔に書かれていて読みやすいなと思ったのでこちら添付します。
初めての在宅業務
薬局内の通常業務もある中で、在宅の依頼がきました。
在宅経験がなかったので先輩に教えてもらい、初回訪問(医師同行)、新規契約を実施。
その後、在宅計画書作成。実際に薬を持って訪問。在宅報告書作成。
初めて在宅についての一連の作業を一人でできた時は新鮮で、今まで薬局内の仕事だけだったので仕事した感がとてもありました。
ただ、ここから在宅依頼が増え、ピーク時は1人で16人の個人在宅を持つことになりました。
朝から夕方までは外来の調剤や休憩を回すので手一杯。
そのため、夕方から在宅(患者宅訪問)という日々でした。歩いて行けるほど近いところはなく、移動は車でした。
薬持って行って終わりであれば楽ですが、やはり薬剤師として患者がしっかり薬を飲めているか、副作用出ていないか、医師へ言い忘れたことはないか等を確認し、2週間分の服薬カレンダーに朝昼夕寝の薬をセットすると1回行くと1時間はみておきたいです。
車で往復14キロする家もあったので往復だけで時間かかりました。
薬局に帰ってからは在宅報告書の作成があります。これを医師やケアマネージャーに渡して情報共有していました。
混雑している日は薬歴も残っているので、どうしても時間内には終わりませんでした。
(在宅についての詳しいことを知りたい方は今回はざっくりと書いてますのですいません)
在宅患者を他の薬剤師と分担すれば?
ここまで読まれた方から出そうな意見です。
店は薬剤師2名体制でした。僕が若手。先輩がベテラン。
在宅で薬局を抜ける時間も患者はやってきます。
1人で薬局にいるときにトラブルがあるとき、誰が対応するのかを考えると自然と僕が外に出るのが良案だとなりました。
それでも良い先輩だったので、時々在宅に行ってくれました。
患者さんとはどうだった?
最初は信用してくれなくて警戒してるのか、機嫌が悪い患者もいました。
訪問回数を重ねたり、吸入の使用法を丁寧に一緒に確認してあげたり、薬の整理をしてあげたりしていると仲良くなることができました。
中には部屋の臭いがきつく、マスクを外すと気持ち悪くなることもありました。
90歳後半の方で、雨降ってるのに畑仕事されててびっくりもしました。
全体的に見て、田舎ということもあり親切な方が多かった印象です。
(16人を1人ずつ書こうとすれば、長々となってしまうので適当にピックアップしてます)
険しい山道
訪問している中で3名の家までの道のりがきつかった。
山道をひたすら走り、今にも土砂崩れ起きそうな場所を通ったり、軽自動車1台がやっと通れるぐらいの道だったり。脱輪したら死ぬなと思ったり。
家の前で鹿に出会うこともあるので、気をつけてと患者から注意喚起されたり。
ただ、そんな険しい道を通り、到着して家の玄関から見る景色は綺麗だった。
看取りは?
目の前で患者が亡くなることはなかったです。
毎回訪問していたご夫婦の旦那さんが、朝から水一滴も口にしない状態になり、僕もこれはもう死が近いと判断し、医師へ対応してもらうよう連絡。
最終的に亡くなられましたが、奥さんからは今までの訪問の感謝と最後の訪問時の対応への感謝を頂きました。
在宅を経験した感想は?
在宅をほぼ1人で対応し、通常業務もあったので負担は大きかったです。
薬剤師として1番成長を感じた日々だったのは間違いないです。
もっと余裕があれば、1人1人にもう少ししっかり対応できたり、医師へケアマネとの情報共有ももっと頻繁に取れたのではないかと思います。
もう1回同じようなことをしろと言われたら絶対嫌です。
在宅を自ら手を挙げてやりたいかと言われたら、それはありません。
しないといけない、依頼がきているとあればするだけです。
では☆