【勤務薬剤師としての視点】医薬分業を簡潔に。院内処方・院外処方。
勤務薬剤師としての視点で医薬分業を簡潔に書いていきます。(20180811更新)
目次
医薬分業とは?
日本の医薬分業は強制的ではなく任意なものでありますが、2016年には70%を超えています。
簡潔に言うと、医師は医学、薬剤師は薬学の専門家なので薬のことは薬剤師が専門的に行うことにより、互いに専門分野で力を発揮し、患者へよりよい治療を行えます。
医薬分業の歴史と詳細はこちらになります。
院内処方とは?院外処方とは?
- 院内処方⇒病院で医師に診てもらい、そのまま院内で薬を受け取る。
- 院外処方⇒病院で医師に診てもらい、受付で処方箋を受け取り、自分にとって都合の良い薬局でもらう。
新店舗立ち上げを経験し、メリットとデメリットを考えてみた
(患者にとってのメリット・デメリット。薬剤師としてどうケアしていくことで患者にとってメリットを感じてもらえるのか)
メリット
- 院内では説明がなかったが、病院の外の薬局に行くことでしっかり説明してくれるようになった
- 他の病院の薬との飲み合わせも見てくれるようになった
デメリット
- 病院から薬局への移動が不便
- 負担金が病院と薬局両方でかかるようになった
- 待ち時間が増えた
経験したことを少し書きます。
薬局で勤務していると、
今まで院内で薬を渡していた病院が今後、院外処方にすることになり、
病院の近く(目の前等)に薬局が新しくできる話をけっこう聞きます。
会社として新店舗立ち上げのチャンスです。
私も運よく、院外処方に切り替わるタイミングで病院の近くに新しくできる、
いわゆる門前薬局で勤務したことがありました。
いざ、開店日を迎えると、薬局に入ってきた患者の中には処方箋を薬局の受付で渡すということが分からない患者もいましたし、
新患アンケートの記載をしたくないという患者もいました。
(当然ですが、薬を受け取るまでの流れが分からない患者が多かったです)
病院から薬局まで移動することが負担であり、不便になったという声(高齢者に多い)や病院でも薬局でも待ち時間が発生し、
待ち時間が総合的に増え、
メリットは全く感じていないという声もありました。
今まで支払は、病院だったのに薬局でもお金を払わないといけなことに疑問を抱く人は多かったです。
患者にとってのデメリットです。
ただ、良くなったというお声も頂きました。
こっちは患者にとってのメリットです。
院内では、薬は内容も見せてもらえずに、
「今日の薬です。飲んでおいてください。」だけで、
薬の説明が全くない。(病院によると思いますが)
院外薬局になってからは説明をしっかりしてくれるようになって良かったと。
院内の時は、薬剤師から薬を受け取ることもあるが、事務もしくは看護師から薬を受け取ることもあったという声もありました。
私も患者側で事務から薬を受け取った経験があります。
こうした経験をした人からすると、
病院の外の薬局にもらいにいくことで、薬局にいる薬剤師が薬の説明をしっかりしてくれるし、良かったと思えます。
実際、私自身が体調を崩し診てもらったクリニックは院内処方であり、
不要だと感じるビタミン剤も一緒に処方され、何の説明もなくお会計と一緒に事務から受け取りました。
最後に
今まで院内で説明なく薬を渡していた経緯があると、患者からすると病院で医師に診てもらった時点で完結しています。
院外処方になったとしても薬局は薬はもらうだけの場所と認識してしまうのも無理はないように感じました。
医薬分業が強制的でないので、院内処方はなくなることは難しいでしょう。
院内処方・院外処方に関係なく、薬の説明はしっかり患者にしていくような意識改革・人員確保・環境整備が進めが良いなと思っています。
今は敷地内薬局とかいろいろ議論されている内容もありますが、薬剤師としてやっていく内容については大きく変わりません。
どのような流れになっても薬剤師として胸を張れるような存在でいたいです。
では☆