【勤務薬剤師としての視点】かかりつけ薬剤師~同意書取得について~
さて、勤務薬剤師としての視点で書いていきます(20180811更新)
目次
前置き
薬局で勤務していると2年に1度、調剤報酬改定があります。
前回の改定が2016年4月であり、2018年4月に改定がありました。
昨年の暮れから、改定についてネット上でもいろいろと情報が飛び交っていました。
私も内容が気になり、通勤時間に見てました。
薬剤師歴がまだ浅いので、知らなかったですが、
毎回の改定の詳細が決定する時期が、だいたい改定ひと月前の3月初め頃だと最近知りました。結構ギリギリなんですね。
今回、ここで書きたいのは、2018年4月からの改定内容についてではなく、
前回2016年4月の調剤報酬改定で話題になりました、
かかりつけ薬剤師についてです。(2016年度での改定内容で書いています)
かかりつけ薬剤師とは何か?
いろんなところで書かれていると思いますので、詳細はこちらを参考にどうぞ。(日本薬剤師会)
軽く説明すると、
調剤薬局A店で5人の薬剤師が勤務しているとします。
患者は毎回違う薬剤師から薬の説明と受け取りをしていたところを、
この薬剤師さんから薬の説明と受け取りをしたい!となった場合、同意書に署名をすることで担当の薬剤師をつけることができるという制度です。
(美容室で言うと、担当のスタイリストみたいなものです。。)
担当をつけることによる負担金は、かかりつけ薬剤師をつけない時と比較すると数十円程度です(負担割合等を考慮)
明細にある管理料の70点てのは何?
かかりつけ薬剤師算定指導料70点。
さて、このかかりつけ薬剤師指導料を算定するにあたって、施設基準・算定要件というものがあります。それを満たさないと上記の70点算定できないってことです。
施設基準として
- 薬局での勤務経験が3年以上
- 当該薬局に週32時間以上勤務
- 当該薬局に6か月以上在籍
- 研修認定制度等の研修認定を取得している
- 地域活動に参加している
というものがあります。
算定要件の詳細は割愛しますが、実際に同意書取得となると、
- 一般用医薬品を含めた併用薬の確認、残薬調整等以前から実施していた内容と変わらなかったことに対して、点数を取ることへの抵抗感がある
- 24時間相談応需できる体制や勤務表を患者へ渡すことによるストーカー被害等の懸念
女性が多い職場であるので、ストーカー被害を気にされている方多かったように感じます。
施設基準・算定要件の詳細はこちらを参考にどうぞ(2016年度)(17,18ページ参照)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000116338.pdf
同意書を取得することへの抵抗心
なぜか。
まず、自分が経験が3年以上もないこと。
自分が算定要件を全く満たさない中で、同意書を取得するよう上司から言われたときにはおかしいでしょ・・・と思いました。
患者にかかりつけ薬剤師という制度の案内はできますが、
担当薬剤師の選択肢の中に私が入ることはおかしい話です。
仮に異動して来た店に現在在籍5ヶ月のために施設基準を満たさないが、あと1ヶ月で在籍期間6か月になる場合、1か月後に向けて同意書取得は理解できますが。。。
私は2016年4月の時点で何も満たしていなかった。。。
ただ、会社の方針としては同意書数および算定数UP。
半年ぐらい過ぎた頃だったでしょうか。
算定数はともかく同意書数が少ない結果を見て、上司にチクチク言われる。
新患からは同意書取れるでしょって上司から言われた。
新患から同意書?
おかしくない?
何の信頼関係もない状態でどうやってこの薬剤師に担当お願いしたいなんて決められるねん。。
抱いた疑問。
当時の上司に対して落胆したことは多々ありましたが、これもその中の1つ。
他店に異動になってからも上司から、新患からは何件か同意書取得できるのにできてないのはおかしいと言われました。
上司が変わっても会社全体の方針として新患からも取得だったのでしょうか。。
(400件もかかりつけの患者持ってる人けっこういるみたいですけど、責任持って対応できてるのか、これも疑問です)
でも私の感覚はおかしくなかったことが2018年4月の改定で分かってスッキリしました。
かかりつけ薬剤師指導料の同意書取得の対象は、
複数回来局している患者と明記されました!
他店ではどんどん新患から同意書取得していると言われていて、
自分の感覚がおかしいのかと思ったこともありましたが、この明記で救われました。
ありがとうございます。
最後に
2016年4月に始まったかかりつけ薬剤師については、まだ評価途中であると思います。
今回2018年4月の改定で、育児等で短時間勤務している人も算定できるよう緩和されました。
今後、患者側、それに対応する薬剤師側、
両方に適切である制度になっていくことを願っています。
(参考資料:厚生労働省 調剤報酬改定の概要)